【アスレティックリハビリテーション総論】
ROM訓練を急いで行なったときのリスクを挙げて説明せよ。
受傷後、早期から行なうリハビリテーションとして関節可動域訓練がある。 これは、靭帯損傷や肉離れなどによる安静・固定により、関節が拘縮するのを防ぐ目的で行なわれる。 実際にはストレッチを他動及び自動で行なってゆく。
関節可動域訓練についてはリスク管理が重要であり、リハビリ初期では受傷時と同じ動きを避けることが必要である。 受傷時と同じ動きは、靭帯や筋の断裂損傷に対して、患部に大きなストレスをかける事になり回復が遅くなるばかりでなく、再受傷の恐れがある。
大腿四頭筋筋挫傷などにおいては、筋の一部断裂や完全断裂を伴う事もある。 回復を急ぎ過ぎる無理な可動域回復では、再損傷や患部が硬結し石灰化・骨化を起こし難治性の骨化性筋炎につながる恐れもある為、十分注意が必要である。 また、バレーボールなどの競技に多い、アキレス腱断裂などにおいて3度損傷である完全断裂ではギプス固定となる。 ギプス固定は軽度底屈位にて行なう為、背屈制限が起こる。 その際も、回復を急ぎすぎた背屈可動息訓練では、再断裂の危険性がある。
リスク管理としては、靭帯や関節の安定性を犠牲にしない為にも、危険のない範囲でストレッチを行い、もし痛みが出たら1つ前の段階に戻る事が基本である。
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