【種目別とリハビリテーション】

バレーボール選手の伸展型腰痛について

　バレーボールは基本的に低い姿勢での構えが多く、大腿四頭筋へ負担をかける。
　大腿四頭筋のタイトネスは骨盤前傾を招き、骨盤前傾は腰椎前弯を大きくする。
　また、フライングレシーブや、スパイクでのテイクバックの動きなどが腰椎へ大きな負担をかける。
　バレーボールで起こる腰痛の型の多くは伸展型腰痛であり、大腿四頭筋・腸腰筋・大腿筋膜腸筋・縫工筋などのタイトネスによって痛みが起こる。
　リハビリの最初の段階では、それらの筋肉の緊張緩和と柔軟性向上が第１の目的となる。
　柔軟性で言えば下腿三頭筋の柔軟性低下は腰椎前弯を増強させるので、患部だけでなく、周辺の筋の柔軟性向上も視野に入れる。
　また、腰部の筋力と腹筋の筋力のアンバランスもチェックが必要である。
　腹筋の筋力低下は骨盤前傾・腰椎前弯を増強する為である。
　ＡＤＬが獲得できれば次のステップとして、フィットネスでは禁忌とされているハイパーエクステンションやブリッジなどのトレーニングの導入を検討する。
　これは、腰椎に負担をかける運動として知られる。
　バレーボールの種目特性として、腰椎の伸展性は必須項目である為、一般的には取り入れられないメニューを導入が必要である。
　また、腰部の強化としてグッドモーニング・デッドリフトなどのウェイトトレーニングもリハビリの後期には導入する必要がある。
　また競技特性であるレシーブなどの動きも段階的に導入する。
　腰部に関しては、器質学的な腰痛も考えられる為、リハビリ中や復帰後も腰部へ負担をできる限り回避し、腰部を中心としたトレーニングを行なう。
　その中でリスク管理を行ないながら注意して進めるべきである。