【種目別とリハビリテーション】
筋・筋膜性腰痛を仮定して、運動様式と活動レベルにポイントを絞って、野球かサッカーでのアスレティックリハビリテーションを述べよ。
筋・筋膜性腰痛は、急性と慢性に分けることができる。 急激な体幹の捻りや、物を持ち上げるような体幹の伸展での発生することが考えられ、打撲でも起こりうる。 また、慢性腰痛の発症には急性腰痛からの移行も考えられるれるが、オーバーワークや疲労の蓄積が第一の要因となる。
腰痛症の運動様式は、「伸展型」「回旋型」へと分類される。 伸展型では、体幹を屈曲位から、体幹を伸展する動きで痛みが生じ、原因としては屈筋群の過緊張と伸筋群の筋力低下が考えられる。 回旋型では腹筋の筋力低下により、体幹伸筋群への過負荷が原因となる。 どちらも体幹伸筋群への負担が増え、筋・筋膜性腰痛では脊柱起立筋群への障害が多い。
野球では、ピッチング・バッティング共に体幹の捻りの動作が大きく加えられる。 1回の強い力を必要とするため活動動作としては強度である。 リハビリテーションでの目的・リスク管理として「腰部全体の可動域の改善」「腰方形筋・脊柱起立筋群のトレーニング」「再発の予防」が挙げられる。
受傷直後は、運動を中止して安静とホットパックで疼痛を軽減させ、熱感があればアイシングを行う。 痛みが落ち着いてから、ROM訓練から開始する。 このときには筋の過緊張が考えられるので、筋運動の目的は過緊張を解くことである。 その後の筋力トレーニングを徐々に強化して行くが、先ずはアイソメトリックなブリッジで腹圧を高める事やOKCであるスパインヒップリフトなどでのアイソトニックな運動が有効である。 体幹の回旋として、ロータリートーソなども導入して行く。 痛みも完全に引いたところで、CKCであるデッドリフトなどを低負荷で実施し段階を踏んで、徐々に負荷を高めて行く。 最終的には、ダンベルクリーンなどで体幹の捻りを入れた筋の協調性や神経系の動きを高める動きを学習させ再発予防に努める。
全ての段階で、痛みがあれば1つ前のトレーニングプログラムに戻り、練習前のウォーミングアップや練習後のクーリングダウン(アイシング含む)を実施しなければならない。
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