【種目別とリハビリテーション】
アメフト・ラグビー選手の肩関節亜脱臼について
アメフトやラグビーといった、コンタクトの頻度が多く衝撃も強いスポーツでは、肩関節脱臼のリスクが高い。 原因としては、肩甲上腕関節の動揺性・肩関節のアライメント異常・不適切なフォームなどがあげられる。 直接的なプレーでは、上肢が後方へ引かれ、水平外転・外旋が強制され脱臼するケースは多い。 その中でも亜脱臼は、関節窩から上腕骨頭が一時的に脱臼をすることである。
肩甲上腕関節の動揺性は、亜脱臼などにより関節包前部の伸長ストレスによって起こる。 動的安定性を高めるには、ローテーターカフのトレーニングが重要である。 初期においては、患部の安静とアイシング。 その後、可動域訓練と筋力トレーニングを実施し、アイソメトリックから導入し、チューブでのアイソトニックへ段階的に上げてゆく。 チューブトレーニングは、肩甲骨下制・内転位からの内・外旋を行なう。 これによって菱形筋などとの協調性を図る。
肩甲骨のアライメント異常の一つに、胸椎後弯の増大や大胸筋・小胸筋・僧帽筋上部・前鋸筋上部の過緊張、菱形筋・前鋸筋下部の筋力低下などによる機能的翼状肩甲が挙げられる。 過緊張している筋のストレッチや筋力低下部位のトレーニングによってアライメントを正常の位置へ回復させる。 また、正しいフォームを覚える事は競技復帰に不可欠である。 脱臼を防ぐフォームとしては、肩甲骨を下制・内転位に保持し、頚部・体幹・肩甲骨周囲筋群を同時に収縮させ一体化させることが大切である。
以上3つのポイントに絞って、リハビリテーションプログラムを組む事が競技復帰後の肩関節脱臼・亜脱臼のリスクを回避する事につながる。
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