【スポーツと栄養】
運動時の発汗に意義について、体内での産熱と放熱、体温の恒常性維持の面から説明せよ
身体は恒常性(ホメオスタシス)という機能を備えており、様々な環境に対応できる様に生理的反応を起こす。 低温度の環境下では、体温が下がらない為の反応が起こる。 血液を冷やされない様にする為に皮膚に近い毛細血管は収縮され、筋が震え始め熱を作り出す。 これを産熱と呼ぶ。 又、逆に高温度の環境下では体温が上がり過ぎない様に、熱を逃がす放熱が行われる。 運動時においては、体内でグリコーゲンなどの糖分や脂肪がATPへ分解され、エネルギーとして燃焼される。 その時にエネルギーすなわち熱が発生し、体温が上昇する。 よってここでも、身体は異常な体温の上昇を防ぐ為、熱を放散させようとする放熱が起こる。 放熱のシステムは、主に筋肉で作られた熱を汗によって放熱する。 ここで留意すべきは安静時と運動時の違いであり、運動時の筋肉は正常時の20倍もの熱を放つ。 又、汗は水分とミネラルからなり、皮膚から体外へ排出される。 基本的に水は空気の25倍のスピードで温度を奪い、汗が蒸発するとさらに体温を下げる。 この蒸発作用が最も体温を下げ、その他としては伝導や放射による。 人体が放熱をする理由は、41℃で身体の細胞が破壊され、42℃でタンパク質がゆで卵の様に凝固してしまう。 よって、体温が高くなると生命の危険にさらされる為である。 この発汗の作用によって体内の水分は失われ、体重の水分が2%程失われると喉の渇きやパフォーマンスの低下が起こることがあきらかになっている。 1時間の激しい運動では最大で約1.5リットル程の水分が汗として排出される。 又、補給された水分は9~18分で皮膚から汗として排出される。 よって、運動中は常に水分を補給しなくてはならない。 練習中であれば15~20分に1回ずつ、200~300mリットル程の水分補給をする必要がある。 又、ミネラル分の補給も25kmのオープンウォーターや4時間強のツール・ド・フランスなどの長時間のレースであれば補給が望ましいが、水泳の練習時間は2時間、多くても3時間程度である。 よって、運動後の補給でも対応ができると言える。
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