【スポーツと食事】
水分補給について、胃と腸での吸収について生理学的作用を踏まえて述べよ。
水分の吸収のほとんどは腸で行なわれる。
従って胃での滞留時間を短くし、いち早く腸に届くようにする必要がある。
これを胃内容排出速度と呼び、量・温度・運動強度・糖質濃度・電解質などの基質の濃度によって決定される浸透圧によることが知られている。
運動中の水分補給では、水分だけではなく糖質などのエネルギーの補給も同時に行なう。
また、糖質を多く含んだ水分は胃での滞留時間が長くなり、腸での吸収が悪くなる。
即時の水分補給を求められる運動中の水分補給では、特に配慮が必要となる。
口から水を取り込むことが本来の水分補給ではなく、腸から吸収されて始めて水分補給といえる。
その際に浸透圧に関して検討する必要がある。
浸透圧とは、体内の糖質濃度を一定にさせる働きである。
例えば、高い糖質濃度の水分を補給した場合、逆に腸から水分が分泌されて胃の中の糖質濃度を下げようとする働きであり、反対に身体より若干少なめの糖質濃度の水分を補給すれば、糖質濃度を下げようとする為に早く水分が腸へ吸収される。
また、糖質の補給にも単体のグルコース1分子よりも、複合体となったグルコースポーリマー1分子の方が多くの糖分を摂取できる。
1分子であれば、モル濃度としてはどちらも同じなので、グルコースポリマーでの糖分補給もポイントの一つである。
実際の糖質濃度は6~8%程度がもっとも吸収が良いとされている。
従って、コンディションを良好にすると言われるスポーツドリンクなどはこれらのことを考慮して糖質濃度が決定されており、スポーツ活動に関与されるビタミン・ミネラルなども加えられている。
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