【スポーツ医学 内科】
熱中症が生命の危険までいたらないようにするため何を行なうべきか、5つあげそれについて述べよ。
熱中症は、熱疲労・熱痙攣・熱射病の3型に分類される。 熱疲労は大量の汗によって水分が体外に出てしまった脱水症状である。 倦怠感・頭痛・めまい・吐き気などが症状として現れる。 熱痙攣は脱水時に、水分のみの補給で体内のミネラル分が不足し、低ナトリウム血症となる。 疼痛を伴う筋痙攣を起こす。 また、命の危険性がある熱射病は体温調整中枢の機能を低下させ、40℃を超える体温となる。 またDIC(血液凝固)も合併し臓器障害も呈する。 また皮膚は紅潮、乾燥して発汗は止まり頻脈となる。
予防としては、「熱耐容能」「気温」「湿度」「水分補給」「電解質補給」などが挙げられる。 熱耐容能としては、高齢者・肥満者・体力低下者・薬物服用者・暑熱馴化ができていないものなどが挙げられる。 気温と湿度に関してはWBGT値が危険性を測るには非常に優れており、これを参考に練習のペースダウン指示等のコントロールすることが望ましい。 現在は簡易的にWBGT値の測定器が販売されている。
水分補給に関しては、温度35℃・湿度50%の高温高湿下での20分間の運動では、2リットルの汗中の塩分は0.5~0.6%までに達し、10gもの塩分を失っているとの実験結果もでている。 従って前述の熱痙攣を引き起こす可能性もかんがみて、水分と共に電解質の補給も行なわなくてはならない。 水分補給も一度に大量の補給をするよりも20~30分に1度の休憩を取り、選手に水分補給するように指導しなくてはならない。
熱中症は指導者の責任と考え、選手の命を守る為にも、上記の点を指導中に考慮する必要があるであろう。
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