【トレーニング科学 前期Ⅱ】
疲労の原因と予防策について
疲労は我々スポーツに携わるものでなくとも日常生活の中でも十分感じることのできる身体状態である。 この疲労の原因は詳しくは解明されていないが、強度の高い運度や長時間の運動、休息時間が短いなどのよって引き起こされることを我々は感覚的に知っている。 では具体的にどのような状態が疲労なのであろうか。
まず始めに、筋でのエネルギーの消耗があげられる。 筋ではATPによって収縮が行なわれる。 これもATPだけでは数秒しか活動できない為、有酸素的に筋グリコーゲンや脂肪などが利用される。 そのグリコーゲンの利用により乳酸が生成され、それが疲労のひとつの原因とされている。 また筋を活動させる為のグリコーゲンも枯渇すると回復までに時間がかかる。 他にも汗をかいたり水分を失ったりする運動によって恒常性がくずれることも疲労の原因である。
これらの予防には、運動プログラムの計画性が最も大切である。 運動量や運動時間を体力に合わせて計画し、オーバートレーニング(慢性疲労)を起こさないようにしなくてはならない。 また運動量のコントロールだけではなく、その日のトレーニングの疲労をいかにその日のうちに回復させるかも重要な予防策である。 その為には食事をトレーニングの一貫として指導し、高糖質系の食事を摂取することによってグリコーゲンの回復を早める。 また、アイシングやマッサージなどのケアをすることによって、慢性的な疲労を防ぐことができる。
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