【スポーツ生理学】
中高年を対象にした持久性の運動処方を、1)強度、2)時間、3)頻度の3条件について生理学的な側面から作成せよ。
我々指導者は中高年の運動処方に関しての目標となると、一概に健康の維持増進と捉えがちだが、運動実践者的には、余暇の楽しみや友人との社交などを目的の一面として捉えている事が多い。 したがって、運動の強度・時間・頻度なども全て指導者の一存で決める事はできず、運動実践者と相談の上決定することが望ましい。 又、運動実践者の生活サイクル・生活習慣なども考慮しなくてはならない。 運動の持久性とは、運動をする上で酸素を必要とし、ある程度の長い時間運動しつづけるエアロビック運動を主とした能力の向上である。 水中におけるエアロビック運動は、水中歩行・水中エアロビック・水泳などがあげられる。 ここでは、初心者の高齢者向けの運動プログラムとして、水中歩行を中心に、3条件にかなった考察を行う。 運動強度は、軽・中度が望ましい。 心拍数で言うならば1分間に120拍程度まで高める事になるであろう。 これは、LT以下の運動であると共に、脂肪燃焼効率を考えた場合、20分以上の時間が有効である為、これ以上に心拍数を高める事は、20分の運動継続が困難になってしまう為である。 以上の様に強度と時間に関しては密接な関わりがある。 強度を高めれば、早期に疲労がたまり、長時間実施できなくなってしまう。 逆に強度が低いからと言って、長時間の運動は関節などに負担を強いる事になり傷害・ケガの原因ともなりかねないので注意が必要である。 運動頻度は、出きれば週に2~3回以上実施したい。 しかし、運動実践者が一人でする運動は、一般的には長期継続する事が難しい。 よって、家族・友人など一緒に運動に取り組むことが望ましい。 それによって、運動の長期継続率が高まる事は多く知られている。 運動実施者達の都合にも合わせた、運動頻度を決定するとよい。 エアロビックな運動は体脂肪率を減少させる事につながるが、除脂肪体重も減少させる事にもなる。 したがって、エアロビックな運動だけを継続するのではなく、運動の中にレジズタンス系の運動も必ず取り入れる事が望ましい。
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